最近、DoCoMo2.0の評価が分からなくなってきた。今日はそのことについて書いてみようと思います。

◇好感度ナンバー1を取ったドコモのCM

CM総合研究所が行ったアンケート調査(月次:300名、前期・後期:1500名)によると

 ・2007年5月・6月・7月前期が1位
 ・7月後期はソフトバンクに抜かれて2位

ドコモのCMが好感度ナンバー1になっていた。「ドコモやるじゃん!」と思わせるニュースである。

 2007年5月度   銘柄別CM好感度TOP10 | CM DATABANK CM総合研究所
 2007年6月度   銘柄別CM好感度TOP10 | CM DATABANK CM総合研究所

さらに、最近では毎日新聞にてドコモ、全世代に人気という記事も出ている(好感度調査の解説)。

1位の「自己紹介」は、長瀬智也、吹石一恵らが出演し、旬の男女4人ずつが合コンをしている設定。携帯端末を見せ合う場面で、新シリーズを宣伝する。ユーモラスでテンポの速いストーリーが全世代に人気だ。


CMが打たれた当初

 ・分かりづらい。
 ・何が2.0なのか伝わってこない。
 ・広告費の無駄遣い。その分を料金値下げにまわしたほうがいい。
 ・で、結局シェアはauやソフトバンクに取られてて反撃できてないね。

などと疑問を呈する記事が、ネット上の大半を占めていた。代表的なところとしては、

 これで「2.0」?Docomo2.0の謎
 大前研一「ニュースの視点」WEB:KON162 トヨタの“謙虚さ”とDoCoMoの“傲慢さ”から見える経営の本質

といった記事があげられると思う。さらに先述の好感度1位の件に対してはこんな紹介記事がある。

 「【5月CM好感度】えっ?「反撃」ドコモ1位」エンタメ‐テレビニュース:イザ!

この記事のタイトルは、ネット上でのDoCoMo2.0の批判的な記事を踏まえて、書かれたものだろうと推測される。



ここで、少し立ち止まって考えてみたい。先述のアンケート調査によると

 ・CMを観た視聴者からDoCoMo2.0は高い支持を得た。

というのは紛れも無い事実だ。それなのに、なぜネット上ではこんなにも低い評価なのだろうか。

原因は2.0という言葉に対するIT業界におけるWeb2.0の概念(というかイメージ)があまりにも先進的、革新的過ぎたからではないかと思う。しかし、このWeb2.0という概念はIT業界以外においてそこまで浸透されているのだろうか。

調べてみると、去年の秋にITmedeiaにこんな記事が出ていた。

 ITmedia エンタープライズ:「Web 2.0」の認知度は4割弱

この記事では

まず、Web2.0という言葉の認知・理解について。「意味まで知っている」のは4.3%、「意味までだいたい知っている」が10.8%と、意味まで理解しているユーザーは15.1%に過ぎない。「聞いたことはあるが意味はよく分からない」が18.0%、「聞いたことはあるが意味は全く分からない」が5.4%、「聞いたことはあるが理解度不明」が0.3%と、Web 2.0を聞いたことがある、認知しているユーザーは38.8%となっている。いちばん多いのが、「言葉そのものを聞いたことがない」の61.1%。


要約すれば、Web2.0について

 理解している人:約15% 聞いたことがあるが意味はよく分からない人:約25%
 言葉そのものを聞いたことがない:約60%

となります。つまり昨年秋の段階における一般人の半分以上がWeb2.0を全く知らなかったというわけです。

ここで、話の流れをがらっと変えますが、よくヒット商品や人気の高い映画・ゲームなどの続編に「○○○○○2」っていう風に2という数字を使いますよね。たとえば、

 ・プレイステーション2 ・ファイナルファンタジー2 ・釣りバカ日誌2

といった風に。これの延長線上として

 ・ドコモ2

が出た。そんな風に受け止められたのではないかと思うのです。Web2.0を知らない人達からすれば、DoCoMo2.0のCMって

 ・人気の俳優が沢山出ている。
 ・「アナコンダ」って何?
 ・やっぱり土屋アンナって可愛いよね。
 ・あーっ、長瀬智也が分裂してるー。

といった反応を示し、「なんだかドコモも面白いことをやってるじゃん。」ってことになるのではないかと思うのです。

携帯業界におけるマーケットは老若男女、幅広く訴求をしていくことが必要なはずです。そう考えるとドコモの選択した戦略はネット上で批判されるほどは間違っていなかったと思う。

また、このDoCoMo2.0騒ぎを通して

 ・Web2.0という概念を知らない人達が沢山いる。
 ・上記の人達など、同一の事象に対して、Web2.0を知っている人達(IT業界の人達)とは別の捕らえ方をする。

ということを学ぶことが出来たのではないかと思うわけです。




6 コメント:

アイカワ さんのコメント...

基本的に人気芸能人(特にジャニーズ)さえ出てたら好感度トップは結構簡単に取れるものだから、今回もそれだけの理由でしかない気がするけどね。特にジャニオタは自分のおっかけが好感度No.1になるのが誇りなのです。
だから全く流行らなかったPTTもCM好感度は実は一位でした。
↓ニュース自体は消えたのでこちらで。
http://www.stillwantto.be/blog/archives/2006/01/cm1.html

okamochiko さんのコメント...

僕もアイカワさんの意見に賛成。商品認知やサービスの理解・販促につながりつつ、好感度も高い、「うまいCM」もあるけど、DoCoMoのアレはとてもそうは思えないなあ。

k1496 さんのコメント...

私は情報の発信側が同時に命名を押し付けるという構造が、みなさんの違和感なのかと思います。
Googleに対しては、そのサービスや構造に対して、使用者が「新しさ」を感じ、自発的にWeb2.0という言葉が生まれたのに対し、DoCoMoの場合は自分で「自分のことを2.0と呼んでね」と言う事がおかしいのだと思います。
キャッチコピーとしては、一瞬新しいように感じますが、評価するのは常に使用者であって、サービスの提供者ではないのだと思います。

niihar さんのコメント...

コメントありがとうございます。
>アイカワさん
確かにPTTもジャニ。痛い例。「じだらく」で書かれているように、好感度が上がったからといって売り上げにつながるかといえば、それは違うのかもしれない。
とはいえ、酷評されるほどのものではないと思う。少なくとも「ケータイ家族○○」よりかは数段よくなったんじゃないかな。
��okamochikoさん
そもそも、の部分ですよね。それはご指摘の通りだと思います。例えるなら、「TSUBAKI」キャンペーンのようなものですよねー。
>k1496さん
たしかにオライリー氏がつけたWeb2.0 は「現在(もしくは近未来)のインターネット世界」を見据えて名づけた訳ですが、DoCoMo2.0は自作自演。
ただ、命名するのは自由で問題は
・それが受け入れられたかどうか
だと思います。
お膝元のIT業界では酷評され、一般人には面白がられた。そんな状況なのでは思います。

アイカワ さんのコメント...

ですね、そんなに酷評されるべきではないと思う。キム兄のとかすごい好きだし。
が、好感度一位はタレントのパワーと、フリークエンシーの成せる技。というなかで、この好感度一位を喜んでいいのかは考えてみてよいと思うし、関わっていない人間があれこれ言えることでは実はないと思うのだよね。
広告の目的ってそれこそ色々あるわけで、その目的を達成していれば成功だし、達成していなければ好感度一位なんてなんの意味もない。逆もまたしかりで、社内で設置した目的に達していれば、酷評なんて全く関係がないと思うよ。

niihar さんのコメント...

>アイカワさん
ドコモ内でどんな評価なのかは分からないけど、やっぱりIT業界寄りの反応を示してるんじゃないかな。
で、「好感度が高かった」ということで社内の批判をかわそうとしている。っていうのが実態のような気がする。
でも
「社内の体勢を占めた意見」=「本当の広告の評価」
ではないわけで、DoCoMo2.0はもう過去の出来事としていままでの反省(受けた指摘達)をいかに活かしていけるかが、大事なのかもしれないね。

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